わかる量子力学

わかる量子力学」シラバス

ベーシックコース  (全12回)(担当:中道 晶香)

光や電子は粒子であり波動でもある、という「粒子と波動の二重性」について聞かれたことがあるかもしれません。また、電子の運動量をきっちりとした値で測定するために、運動量のあいまいさを小さくしようとすると、電子の位置のあいまいさが大きくなってしまいます。このあいまいさは目盛りの読み取りなどによる測定誤差ではなく、粒子と波動の二重性による本質的な不確定性です。

このように量子力学では、皆様の常識と合わない結果に遭遇します。「わかる量子力学」の授業では、どのような実験結果を説明するために、常識とかけ離れた量子力学の理論が必要になったのか、その実験内容の紹介から解説を始めます。その際、熱力学の解説も少し入ります。

授業の後半では、数式を用いて計算しながら理解を深め、将来の天文学研究の場面にも「使える」量子力学を修得していきます。(なお、数式が嫌いな方は、課題を無視していただいて結構です。)

テキストとして「わかりやすい量子力学入門 原子の世界の謎を解く」高田 健次郎 著 丸善出版(2,500円+税)を使用します。天文学のデータ解析に必要となる内容を補足するときは、追加の資料をその都度お渡しします。

春学期は前半の6回として第1回から第6回までを開講します。