デジカメでできる観測天文学

デジカメでできる観測天文学」シラバス

観測天文学コース (全4回) (担当:小林 仁美)

近年発売されているデジタルカメラは大変性能もよく、 天体写真撮影用に特殊なフィルターを入れたカメラまで存在しています。 このようなデジタルカメラを使うと、写真を撮るだけでなく、 一歩進んだ天文学をすることができます。

本講義では、みなさんが持っているデジタルカメラを使って食連星を観測し、 その光度周期と星の間の距離を求める実習を行います。 受講者のみなさんと日程調整をしながら、1泊2日で観測実習も行います。 天体の周期を求めるには長期の観測が必要なので、 実習日以外にも数日間各自で観測をして頂く必要があります。 画像処理にはLinuxのフリーソフト”imagemagick”、 プロの天文学者が使用する天文データ解析ソフトウェア”IRAF”と画像表示ソフトds9を使って行います。 インストールとその使用方法は別途講義内に補足します。

<目標>

1) デジタルカメラを使って、星景写真ではなく天文学用データを取得する

2) 取得した画像から、食連星の光度周期と星の間の距離を求める

 ※授業で使うもの:デジタルカメラ、パソコン、筆記用具

 ※本講義は4つのテーマに分けて学習していきます。

  全テーマを受講することが望ましいですが、受講したいテーマのみ参加することも可能です。

<講義内容>

テーマ1) 食連星とスペクトルタイプ(さまざまな恒星)

 1-1  明るさの変わる星:変光星

 1-2  恒星のスペクトルタイプ

テーマ2) UNIXコマンドの基礎とIRAFインストール

 2-1  コマンドプロンプトとその使い方、基本的コマンド

 2-2  IRAFのインストールと基本的コマンド

  ※「HR図をつくろう」、「銀河の赤方偏移を測定しよう」の講義テーマ2 と同じ講義内容に なります。

テーマ3)  観測実習

 3-1・2・3 デジタルカメラを使った天文観測

  ※実際に観測実習に出かけます。

テーマ4)  データ解析

 4-1  一時処理:RGB画像の抽出、fits画像への変換

 4-2  解析【1】:光度周期の決定

 4-3  解析【2】:【1】の続き+星の質量の決定

 4-4  解析【3】:【2】の続き

 4-5  解析【4】:2天体間の距離の決定