現代の物理学では、素粒子論に限らず、宇宙における真空のエネルギーや宇宙誕生の頃の様子を探るため、あるいはブラックホールの蒸発や物性理論などさまざまな場面において、場の量子論が必要不可欠になっています。しかし、たとえば場の量子論の概念を理解できるようになるためには、大学の学部で学ぶ古典場の理論をしっかりと理解しておく準備と、場の量子論で使われる数学と計算技術の習得に大変な時間がかかるため、独学ではかなり厳しく、勉強の途中で挫折してしまう人が多い分野です。 そこで本コースでは、論文や書籍に書かれている内容を自分なりにまとめて発表し、論理を確認しながら、ゼミ形式にてわからない箇所を議論しつつ着実に理解しながら研究を進めることを目標にしています。前学期までは、ワインバーグ著『場の量子論』吉岡書店(日本語訳版)を読んでいました。その後、各自の興味に合わせて超流動、真空のエネルギー、相対論的宇宙論などの文献を読んで発表しつつ、各自の研究を進めるための議論をしています。若手研究者の新居先生が指導していますので議論が深まります。一人で考えを進めていると独りよがりな内容になりやすい研究内容も、仲間との議論を通して、客観的に俯瞰することができるようになります。物理学はどのように発展していくのかを考える楽しさを味わっていただければ幸いです。
ご自宅からオンラインのゼミにて仲間と学びあい、研究を進められる好機です。
このクラスでは、ゼミ以外の期間も議論を継続できるよう、電子掲示板zulip(利用料は無料)も用いて議論しています。
研究してみたい方、興味のあるテーマについて深く理解したい方は、是非ご参加ください。
日時:約1か月に1回 土曜または日曜 20:00~22:00
受講生とご相談のうえ、スケジュールを決定します。全12回