星間塵(せいかんじん)とは、星間空間に存在する固体の微粒子のことです。
本講座では、星間塵に着目した天文学を考えていきます。
星間塵は、星/星団/銀河などと異なり、人の目に見える可視光を出しませんが、現在では色々な方法で、星間塵を直接的/間接的に観測することができます。星間塵の量は、水素やヘリウムなどが主成分の星間ガスの量と比べると、はるかに少ない(質量で1%程度)にもかかわらず、星間塵は輻射に大きな影響を及ぼし無視できない存在です。また星間塵は星間磁場により整列し、この結果生じる偏光や偏波から星間磁場の情報を提供するので、磁場を研究する天文学者にとって貴重な存在でもあります。
全6回の授業では、星間塵の存在が判ってきた経緯、星間塵を構成する物質(星間塵のモデル)、星間塵から判ること等について考えてみます。
第1回 「星間物質の存在の認識」 6月 1日(日)10時30分
星間塵の存在の認識、星間ガス存在の認識
宇宙組成比 cosmic abundance を念頭に(重元素の半分が塵)
第2回 「星間塵による輻射の散乱と吸収」 6月15日(日)10時30分
Rayleigh散乱、Mie理論(概要)、...
減光の特性: 可視域、紫外域、近赤外域
第3回 「星の光に含まれる偏光」 6月29日(日)10時30分
星間偏光、その解釈
可視域の偏光: Serkowski, Matherson, Ford など
第4回 「星間塵のモデル」 候補日は未定
Dirty ice model MRN model
Very Small Grains
第5回 「星間塵からのサブミリ波輻射」 候補日は未定
IRAS, Planck...
第6回 「整列した星間塵による偏光・偏波」 候補日は未定
サブミリ波の偏波: Planck など