本講義では、銀河の進化の痕跡を追う「銀河考古学」の手法や最新の研究結果について学習します。
数十年前までは銀河の研究というと、1つの銀河に対して1つの写真を撮り分類したり、1つの銀河全体のスペクトルを観測し化学組成を検討する手法が主流でした。しかしアメリカのハッブル宇宙望遠鏡や日本が誇る口径8.2mのすばる望遠鏡、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ガイアなど、多種多様な宇宙望遠鏡や巨大望遠鏡、補償光学の技術の登場により銀河を一つひとつの恒星に分解することが可能になってきました。すなわち、銀河考古学は観測技術の発展とともにここ20年ほどで急成長した最新の研究分野です。
最新の観測技術を駆使し、個々の恒星の力学や化学組成(ミクロ)を調べ、その銀河の形成進化史(マクロ)を理解する。そんな「銀河考古学」の世界に触れてみませんか。
全3回の講義で、銀河や恒星に関する物理の復習から銀河考古学への発展までを取り扱います。